ネイルと誕生石

あの子が亡くなった日

ネイルの予約した日だった

当然キャンセルしてしばらく経ってから予約を入れ直した

何でかって

あの子が亡くなる前日に私のネイルを見てこう言っていたから

「私の誕生石、オパールなの。ママ今度のネイルもオパールみたいな石つけて

それかオパールみたいな色のネイルもいいな」

 

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その時薬指にオパールみたいな石をネイルで付けてたのを珍しく繁々とあの子は見てた

いつもはネイルに無関心な感じだったのに

毎回感想聞いても割と素っ気なかったりこの指の色は好きだけどコッチはちょっと派手とか中々手厳しい感想が多かった

それなのに前日に唐突に車の中で私の手を取って言い出したのと普段誕生石なんて言った事なかったので思わず珍しいねそんな事言うのって私は応えてた。

今思うとハイだったしちょっと様子がいつもと違うけど元々の娘はそんな元気な子だったから元に戻って来ているのかと嬉しかった

明日ネイルだからまた感想教えてねと言った時反応が曖昧だったからもしかしたら心の中で何か思っていたのかもしれない

ともあれ娘の死後1ヶ月程経った頃ネイルに行った

ネイルしている間私は泣いた

事情を話していたのでネイリストさんも戸惑った事だろうがとにかく泣きながら施術してもらった

ちょっと曖昧なオパール色に仕上がった

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娘はハッキリしたネイルより柔らかい色合いを好んだので彼女には高評価だったかもしれない

もう見てくれる事もないけど今ならなんていうかな

 

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今回のネイルはメタルだけど淡いプラチナ色でラインストーンもシンプルできっと好きなんじゃないかなと思ってる

あの子が亡くなってもう化粧もどうでもいいやと思った時でもネイルはあの子とのちょっとした思い出からやめようと思わない

誕生石はいつか指輪にしてあの子を偲びたいと思ってる

今なら17歳

可愛いリップや髪型とか色々してあげたかった

綺麗なキメの細かい肌だった

お化粧もちょっとは興味があっただろうに

あの子のキッチリ切った爪にも彩る日が来たら良かったのにと自分の爪を見て思う