誕生花
次男が言った
2月の14日が一年なので彼女に花を贈りたいと
何の花がいいだろうと
出来れば花言葉の意味がある花で誕生花なんて入れられたらいいなと中々要求が厳しい
予算があんまりないようなので私が彼女に花束を作ってあげようかと提案した
一応フラワーアレンジ習ってたし
花束は作れる
花屋さんで作って貰うより多分沢山お花を入れてあげられるだろう
彼女の誕生日を聞いて誕生花を検索した
今の季節で手に入る花あるだろうか
好きな色は水色系だと言う
私が大好きな花デルフィニュームはどうだろう?
綺麗な薄い水色の可憐な花弁
あとは薔薇かな?
そんな事を思いながら娘の誕生花もしらべてみた
偶然だろうか
何種類かある中の二種の花の和名に娘の一文字があった
一つなんてつけたかった名前の二文字が入ってる
(苗字とのバランスで諦めた)
花も可憐で娘も好きそうなタイプ
そこまできてあの子の好きな花ってなんだったかなと思った
あんまり話した事なかった
私の薔薇の鉢植えをトゲがあるから嫌だなぁと言っていたのは覚えてる
そう言えば去年の今頃スイセンと猫柳を花瓶に生けた
スイセンは暫くいい香りを放ち私は娘に花の香りっていいねぇって何回か言った
確かその時のコメントは花粉症であんまり匂いがわからないだった
私は娘の鼻がもう少し匂いがわかるようにしてあげたくて耳鼻科で何か治療法がないか検査してもらおうかと話した
娘はそうなれたらいいなとちょっと言ったような気がする
どちらかと言うと娘は猫柳のフワフワした毛に興味と愛着を示し可愛いと触っていた
ママ、ツルツルふわふわだよって
スイセンが枯れても猫柳はずいぶん長いこと食卓の上に飾られそのままドライフラワーのようになった
そう、娘が亡くなった夏まで食卓に飾られていた
あの子が生きていたら処分したかもしれないけど
とてもそんな事が出来なくて
ドライリースにして飾った
初夏の薔薇の季節に娘は逝ってしまったけど亡くなる何日か前に珍しく薔薇を買って食卓に飾った
ママ、花買ってくるの珍しいね
薔薇安かったからさ、たまには良くない?
うん、綺麗
そんなやりとりもした
この薔薇で差し木をしようと思うんだと言うと呆れたように笑った
土も買ったりしてるうちに娘が亡くなりその薔薇はそのまま枯れてしまったけれど
あの後花が我が家から切れる事はなく仏壇にいけた薔薇から刺し木は3本成功し、菊は刺す度に根を張って新芽を出している
次男の花束からそんな思い出が溢れるように出て来たけどやっぱりあの子の好きな花はわからないままだ
でも何となく大輪の花でなく小さくて可愛い花が好きなんじゃないだろうか
娘の写真フォルダの中の可憐な花を見てそう思った