娘の友達
この間娘の友達が初めて弔問に来てくれた
小学校時代の仲良し
友達つてに聞いたらしい
おばあちゃんは彼女からの電話だけで号泣
私も彼女の来る時間を待ちながら涙が止まらなかった
小麦色に日焼けして高校の制服を着たSちゃんは二年前にお母さんを急な病気で亡くしている
丁度今の季節
娘とお線香をあげに行かせて貰った
2年前の娘は引きこもりがまだあって正直彼女の家に一緒に行くかと聞いた時行かないと言うかと思っていた
二つ返事で行くと娘は言った
久しぶりに伺う彼女の家は沢山の弔問客で溢れていた
生前の彼女のお母さんの人柄だと思う
私より年下だったけどしっかりして頼りになり明るく元気な人だった
娘の事も心配してくれ娘の交友関係の中で唯一のママ友でもあった
もし彼女が今でも元気でいてくれたら何かアドバイスもくれたかもしれない
久しぶりに会った娘と友達はヤァと言って二人で猫を撫でていた
まるでなんの空白もなかったみたいに猫の話題を静かにしていた
そんな友達だった
娘が家に一人でいるのは仕方ないと思いつつも友達がいてくれたら楽しいだろうとここ数年ずっと思っていた
高校に入って出来た友達も半年くらい後連絡を何故かとっておらず何か原因でもあったかもしれないが今後もそれを知る事は多分ないだろうと思う
そんな気持ちも手伝って娘の生前もSちゃんと連絡でも取ればいいのにと思っていた
でも何となくSちゃんの話はタブーのような気がして娘に言えなかった
亡くなったSちゃんママが居たら何か橋渡しでもしてくれただろうか?
そんな虫のいい事を思ったりもした
弔問に来てくれたSちゃんも何度か連絡は取ろうと思ったけど今さらと言われそうで取れなかったと言っていた
うちの子だってしなかったんだから仕方ないの
ありがとうね
と私はSちゃんに言った
本当にね
こんなにいい友達がいるのにバカだなって泣けた
ちゃんと中学に行けてたらまだ続いていたであろう友達
行けてなかったとしても少しでもコンタクトが取れたら良かった
何かほんの少しのかけ違いがここまで来てしまったんだと私は自分の選択の悪さを後悔した
多分これからずっと後悔するんだと思う
SちゃんはLINEを交換して欲しいと言ってくれた
お母さんの携帯がロックが開かなくて写真が取り出せないらしくうちで持っている写真を送ってあげた
本当に一度勇気を出せたら交換できたのは娘だっただろうに
また泣けた
帰る前にハグをさせて貰った
娘より少し小柄なその姿の感触に涙が止まらない
Sちゃん本当にありがとう